こんにちは、matsuです。
このサイトでは生活に取り入れやすい心と身体の調整方法を提案しています。

マインドフルネスって言葉は耳にするけど一体何なの?どんな効果があるの?瞑想ってどうやるの?
今回は、上記のような「マインドフルネスに興味はあるものの何なのかよくわからない」といった疑問にお答えします。
わたしはヨガの資格・全米ヨガアライアンス200を修得するなかで、『瞑想(メディテーション)』に出会い、その奥深さ・効果を理解したいと思っていた中、見つけたのが今回紹介する本『最高の休息法』。
この本のおかげで科学的根拠に基づく瞑想の効果はもちろん、瞑想にとどまらず、マインドフルネスの具体的な実践方法を学ぶことができました。
それらを自分自身の生活にも取り入れることで、効果的に脳を休ませることができるようにもなっています。
『最高の休息法』は、マルチタスクな生活に毎日を追われているすべての人に共通する積極的な休み方の指南書です。
この記事では、マインドフルネスって何?効果や実践方法について知りたい人向けに、『最高の休息法』で解説されている脳のメカニズムや実践法について、要点をまとめながら紹介していきます。

マインドフルネスって何?

マインドフルネスとは、瞑想などを通じた脳の休息法の総称です。
著者の医師・医学博士である久賀谷亮さんは、マインドフルネスは継続することで「疲れずらい脳が手に入る」「自分自身の脳を変えて、高度な集中力を手に入れることができる」最高の休息法であると語っています。
瞑想をすれば心が落ち着く、なんてことは科学が実証せずともなんとなく思っていることかもしれませんが、その効果について、脳科学から検証・効果の裏付けが進んでいるのが面白いところですね。
そもそも脳はなぜ疲れるか?そのメカニズムから解説しましょう。
そもそもなぜ脳は疲れるの?

著者によると、脳は何もしないでも勝手に疲れていくそうです。たっぷり寝たり温泉につかったりと身体を休めても、回復しない疲労。それが脳の疲れです。何も考えずにぼーっとしても脳は休んではくれません。むしろ、どんどんエネルギーを消耗し続けるというのです。
そんな脳のメカニズムのカギはデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路にあります。DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部(けつぜんぶ)、下頭頂小葉などから構成される脳内ネットワークで、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動です。
脳は体重の2%ほどの大きさにもかかわらず、身体が消費する全エネルギーの20%を使う大食漢で、その脳のエネルギーの大半を占めるのがDMNなのです。
つまり、DMSの活動を抑える脳構造をつくっていかないと、真の休息は得られません。
本書では、マインドフルネスがこのDMSの活動を抑える効果がある、だからこそ脳を休ませるのには最適なのだと、その脳科学の研究結果とともに紹介されています。
マインドフルネス効果の科学的裏づけ

前述のとおり、脳を休めたければ、エネルギーの浪費家であるDMSを使い過ぎないようにしなければなりません。マインドフルネスに取組むことで、その要である内側前頭前野と後帯状皮質の活動を抑え、雑念を抑えることで脳を休ませることができます。
また、脳皮質(脳の表層の最も進化した部分)の厚さが増した、つまり脳の機能が高まった、という結果や、左海馬・後帯状皮質・小葉の灰白質密度が増した、つまり記憶の機能が強化される可能性も報告があるようです。
さらに、マインドフルネスは脳の一時的な働き具合だけではなく、脳の構造そのものを変えてしまう、ともいわれています。
マインドフルネスを継続的に行うことで、後帯状皮質と背側前帯状皮質の連結が増した、つまり、DMNの活動をコントロールできるようになる、さまよわない心・疲れづらい脳をつくることが可能だいうのです。
研究のクオリティについては課題があるみたいですが、期待できそうな効果がまだまだあるようです。
- 集中力の向上-1つのことに意識を向け続けることができるようになる
- 感情調整力の向上-ストレスなどの刺激に対して感情的な反応をしなくなる
- 自己認識への変化-自己へのとらわれの減少、自己コントロール力の向上
- 免疫機能の改善-ウイルス感染などに対する耐性、風邪を引きにくくなる
本書で紹介されている脳の休息法

本書で紹介されている休息法の1部です。各休息法の効果とともに、実践方法も載せていますのでぜひトライしてみてください。少しでもコレはいいかも、と実感できた方は、本書を読んで理解を深めていただくと、より効果が上がります。
1.マインドフルネス呼吸法
とにかく脳が疲れているときにオススメの休息法。
疲れやすい脳は意識が過去や未来ばかりに向かい、「今ココ」にない状態が慢性化しています。現在に意識を向ける練習をすることで、疲れづらい脳をつくりましょう。
ストレス低減/雑念の抑制/集中力・記憶力の向上/感情のコントロール/免疫機能の改善
手順①基本姿勢をとる
基本姿勢のコツは『背中はシャッキリ、お腹はゆったり』。
手は太ももの上におき、脚は組まずにまっすぐ地面に着地させます。
姿勢を整えたら、目を閉じましょう。目を開けていてもOKですが、その場合は2mくらい先を見るイメージで。
手順②身体の感覚に意識を向ける
何かに触れている身体の接地面に意識を向けます。
足の裏と床、お尻とイス、手と太ももなどの接地面の感覚に意識を向けてみましょう。
あるいは、身体全体が地球に引っ張られている感覚、重力の感覚を探ってみます。
手順③呼吸に意識を向ける
空気が鼻を通る感覚、胸に空気が入るにつれて胸やお腹が膨らむ感覚、呼吸と呼吸の間の短い切れ目、呼吸の深さ、吸う呼吸と吐く呼吸の温度の違いなど、呼吸を観察しましょう。
呼吸をコントロールしようとする必要はありません。
ただただ自然な呼吸に意識を向けて、観察します。
ときには、呼吸に「1」「2」・・・「10」とラベリングするのも効果的。
このラベリングはいろんなことが気になって仕事がなかなか進まないときに特にオススメです。リラックスした覚醒状態、「2.ムーブメント瞑想」の効果にもみられるフロー状態に入りやすくなります。
手順④雑念が浮かんだら…
雑念が浮かんだ事実に気づき、意識を呼吸に戻しましょう。
2.ムーブメント瞑想
気づくと考えごとをしているときにオススメの休息法。
日常の所作における「自動操縦モード」は雑念が浮かびやすく、これが常態化すると、注意力・集中力が低下しかねません。
集中力・注意力の改善/フロー状態の実現
実践例:歩行瞑想
スピードは自由。手足の筋肉・関節の動き、地面と接触する感覚に注意を向けます。自分の動きに対して、「右/左」「あげる/さげる」などラベリングしましょう。
他にも取組方法いろいろ
立った状態で、伸ばした両腕を左右からゆっくり上げていく感覚に意識を向けたり、それを座った姿勢で行ったり、あるいは日常の服を着たり歯を磨いたりする動きに取り入れたり、ラジオ体操をやりながら、身体の動きや感覚を意識します。
目の前のことに集中せず、1つのことをしながら、ほかのことを考え・こなしている「ながら作業」が常態化している人は多いのではないでしょうか。現代に求められがちなマルチタスクが脳の集中力を下げてしまっています。
グーグルの社員研修「SIY(Search Inside Yourself)」でも取り入れられているというムーブメント瞑想。世界的な大企業がこの方法を取り入れているのは興味深いですね。
3.ブリージングスペース
ストレスで体調がすぐれないときにオススメの休息法。
脳内現象であるストレスも、慢性化すると身体に悪影響を及ぼします。身体のだるさや肩こり、腹痛や胃腸の炎症など様々なカタチで現れます。ストレスによる身体への影響に気づき、それを脳から改善していきましょう。
ストレス解消/ストレス由来の緊張(肩こりなど)/その他不調の改善
手順①ストレスの影響に気づく
まずは「1.マインドフルネス呼吸法」の①基本姿勢をとりましょう。
そしてストレスの原因になっていることを「1つの文」にします。例えば、仕事の期限に追われて焦っている、など。
その文を心の中で唱えたとき、心や身体がどう反応するか確認します。
手順②呼吸に意識を集中させる
呼吸に意識を向けます。「1」「2」…「10」とラベリングしてもOK。意識を向けるとともに、身体の緊張がゆるんでいくのを感じましょう。
手順③身体全体に意識を広げる
意識の向かう先を、呼吸から身体全体に広げてみましょう。コツは、あたかも身体全体が呼吸しているかのようにイメージすること。
②のステップで緊張を感じた部分があれば、吐くときにそこに空気を吹き込むようにイメージしてみて。呼吸につれて柔らかくなっていく感じ、開けていくイメージをもってみましょう。
4.モンキーマインド解消法
思考のループから脱したいときにオススメの休息法。
いろんな考えに頭が満たされた状態をモンキーマインドといいます。その状態では、脳のエネルギーが膨大に消費され、疲労が蓄積し、睡眠の質も低下します。まず雑念そのものに対する「認知」を変えて、思考のループを脱出しましょう。
思考ループの抑制/集中力の向上/自己嫌悪の回避/寝つきの改善/深い睡眠
方法①捨てる
思考にラベルを貼り、「何度も考えた」という事実に気づきます。あまりに何度も浮かんでくるかんがえであれば「もう十分!」と頭の外に送り出しましょう。
方法②例外を考える
ラベリングした考えについて、その考えが当てはまらないケースを考えてみます。前提を考え直してみると効果的。
方法③賢者の目線で考える
自分が尊敬する人や歴史上の偉人なら、この考えに対して何と言うだろうか、と考えてみましょう。
方法④善し悪しで判断するのをやめる
その考えがいいとか悪いといった価値判断するのをやめましょう。
方法⑤由来を探る
なぜその考えが何度も現れてくるのか、その原因を探ってみましょう。なぜその考えが浮かぶのか、どこからやってくるか、それを突き止めます。その原因は、自分の中に満たされていない願望・ディープニーズです。
5.RAIN
怒りや衝動に流されそうなときにオススメの休息法。
脳に過度なストレスがかかると、本能や感情を司る扁桃体が暴走をはじめます。瞑想を通して、理性を司る前頭葉と扁桃体が均衡する脳構造をつくり、RAINの4ステップで怒りや衝動をコントロールしましょう。
怒りの鎮静/欲望のコントロール/衝動の抑制/ダイエット/禁煙
手順①Recognize(認識する)
自分の中の怒りを認識します。怒りと怒っている自分を同一視しないのがポイントです。
手順②Accept(受け入れる)
怒りが起きているという事実を受け入れましょう。その事実に価値評価を加えず、そのまま許します。
手順③Investigate(検証する)
怒ったときに身体に何が起きているかを検証します。心拍はどう変化していますか?身体のどこが緊張していますか?あるいは何か身体の部位が熱くなったり冷たい風を感じたりすることがあるかもしれません。
手順④Non-Identification(距離をとる)
自分の感情を個人的にとらえないようにします。怒りをつきはなして、「他人事」のように考えてみましょう。
6.やさしさのメッタ
他人へのマイナス感情があるときにオススメの休息法。
嫌悪、妬み、怒りといったネガティブな感情を減らし、他人に対する愛情・慈しみを内面に育てる方法で、脳の疲れを解消し、前向きな感情を育てましょう。
他人へのマイナス感情の抑制/ポジティブな感情の育成
手順①マインドフルな意識状態をつくる
まずは「1.マインドフルネス呼吸法」を10分間続けましょう。ネガティブな感情から「いまここ」に注意を向け直します。
手順②その人のことを思いうかべる
ストレスの原因になっている人をイメージします。そして、身体の緊張や心の動き方など、心身の変化に注意を向けてみましょう。
手順③心の中でフレーズを唱える
その人に向けて、次のようなフレーズを心の中で唱えます。
「あなたが様々な危険から安全でありますように」「あなたが幸せで心安らかでありますように」「あなたが健康でありますように」
マインドフルネスとは別のアプローチで、人間関係の悩みを解消し、コミュニケーションを円滑にする方法も当サイトで紹介しています。こちらもよかったらご参照ください。
▶人間関係の悩みを解消し、コミュニケーションを円滑にする方法
7.ボディスキャン
身体に違和感・痛みがあるときにオススメの休息法。
脳の疲労蓄積がひどくなると、身体の一部にほてりや疲労感が生まれ、ひどいときには局所的な痛みが発生します。短期的な痛みの抑制だけではなく、痛みにも対処できる脳構造をつくるうえでも効果的。
ストレス性の痛み/皮膚疾患/ホットフラッシュ/自律神経の調整
手順①横たわって、呼吸に意識を向ける
イスに座った状態でもOK。呼吸とともに、お腹が上下する感覚なども意識してみましょう。
手順②身体の部位に意識を向ける
まずは左足のつま先に意識を向けます。足が靴下、地面に触れる感覚や冷たい・温かいなどの感覚を探ってみましょう。
そして左足のつま先から左太ももへ意識の対象を移します。その次は右足、左右の手、頭や腹部なども同様にして全身の各部位に意識を向けていきましょう。
このボディスキャンはまさに、ガイド付き瞑想、寝たままの姿勢でできる瞑想のヨガニードラでも行う内容です。自分でやってみるのが難しい場合は、ガイドの助けをかりながら、やってみましょう。
▶【自律神経を整える】ヨガニードラ(寝たまんまヨガ瞑想)の効果や練習内容
▶ヨガニードラ(寝たまんまヨガ瞑想)のお試し無料音声
まとめ

いかがだったでしょうか。
上記の実践法のほかにも、月に一度怠けることに専念するレイジー・デーのすすめやよい睡眠のための心得など、脳の休息に効果的な内容がたくさん詰め込まれていました。
わたしはこの本を通して瞑想の奥深さを知ることができ、瞑想の実践者としてその効果をより得られるようになりました。
何より、ヨガを提供する側として、瞑想を含むマインドフルネスの科学的根拠を知ることができたのは自信になりました。
瞑想って何?とおもっている初心者はもちろん、ヨガ修得者にも「世界のエリートがやっている『最高の休息法』」はおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本記事を読んでくださった方にとって素敵な休息、心の充足が得られますように。それでは、また!ごきげんよう。

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